米陸軍の試作155mm誘導砲弾 〝放たれた砲弾が敵をみつける〟
米陸軍は2026年10月20日、アリゾナ州のユマ試験場で、155mm誘導砲弾の試作弾「XM1180」を標的の戦車に向けて3発試射したと発表しました。

米陸軍は2026年10月20日、アリゾナ州の砂漠にあるユマ試験場で、155mm誘導砲弾の試作弾「XM1180」を試射したと発表しました。撃ったのは3発。条件を変えながら標的の戦車に向けて撃ち、1発ごとに性能を評価しました。発射には、39口径の砲(砲身の長さが弾の直径の39倍ある砲)を使っています。
この試験は、ユマ試験センターと陸軍の弾薬計画室(PM-CAS)、陸軍の兵器研究機関(DEVCOM Armaments Center)、軍需企業Raytheonなどの共同で行われました。「誘導試験機(=GTV、Guided Test Vehicle)」と呼ばれる試験シリーズの第2段階にあたり、シーカーが目標を探す性能を示すのが目的だとされています。
「XM1180」の正式名は、Cannon-Delivered Area Effects Munition(=C-DAEM)Armor。155mm砲弾は本来、撃った瞬間に弾道がほぼ決まる〝撃ちっぱなし〟の弾ですが、「XM1180」は〝誘導砲弾〟として開発され、目標に弾を直撃させて破壊するHit-to-kill(=HTK)方式です。
その誘導を担うのがシーカーです。シーカーはまず、標的のいる一帯をまるごと画像にします。次にその中から目標を見つけ出し、そして画像を手がかりに弾を目標へ導きます。つまり、砲弾が放たれたあとに弾が自分で戦車を探し当てる仕組みです。
試験では、この仕組みを2段階に分けて確かめます。まず「オープンループ試験」では、シーカーに目標を探させるものの、誘導はしません。次の「クローズドループ試験」で、シーカーの情報を使って実際に弾を目標へ導きます。
そして米陸軍がこの砲弾で目指すのは、標的が移動した場合や移動中でも攻撃できるようにすることです。あわせて、〝付帯被害〟を抑える効果もあるとしています。
米陸軍は今後、GPSが使えない条件でシーカーを試す試験を行います。そのうえで、シーカーを長射程砲弾「XM1230」(=Extended Range Artillery Projectile)に組み込む予定です。
「XM1230」の試験は数か月以内に、同じユマ試験センターで行われます。「XM1180」のGTVシリーズも2027会計年度(FY27)まで続きます。なお、今回の3発が標的に命中したかどうかは、執筆時点で公表されていません。


