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名大も設計参加 NASA火星探査の新型ヘリ技術

NASAエイムズ研究センターは2026年10月20日、英インペリアル・カレッジ・ロンドンや名古屋大学と共同で設計した、火星ヘリコプター向けの新しい翼断面「roamx-0201」を発表しました。

2026-10-20
火星の地表に立つNASAの火星ヘリコプター「インジェニュイティ」。2023年、探査車パーサヴィアランスのMastcam-Zで撮影。
火星の地表に立つNASAの火星ヘリコプター「インジェニュイティ」。2023年、探査車パーサヴィアランスのMastcam-Zで撮影。

NASAエイムズ研究センター(米カリフォルニア州シリコンバレー)は2026年10月20日、火星ヘリコプター向けに設計した新しい翼断面「roamx-0201」を発表しました。共同で研究を進めているのは、英インペリアル・カレッジ・ロンドンと日本の名古屋大学です。研究の成果は、米国航空宇宙学会(AIAA)の論文誌に9月22日付で掲載されました。

設計には、火星の環境に合わせて調整した高精度の計算機シミュレーションとアルゴリズム、そして風洞試験(人工的に風を起こして翼の性能を確かめる試験)を使っています。計算で翼の形を導き、風洞で確かめる組み合わせです。

この「roamx-0201」が狙うのは、1回の飛行で飛べる距離を大きく伸ばすことです。NASAの火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の場合、1回あたりの連続飛行距離は0.7km。再設計した翼を使えば、科学機器を積んだまま1回で最大18.7kmを飛べる可能性があるとされています。

その「roamx-0201」は、丸みのある「インジェニュイティ」の翼型に比べて薄く、上下が非対称の形をしています。空気が翼に最初に触れる前縁では、表面のすぐ近くを流れる空気の層(境界層)をわざと乱します。この乱れが、従来の設計より効率よく機体を持ち上げる力を生みます。

そもそも火星は、大気が薄く、音速も地球より低い環境です。音速が低いぶん、ローターの回転は音速に近づきやすくなります。ヘリコプターの翼には、音速に近づくと性能が急に落ちる「抗力発散」という現象があるため、回転の速さを上げるには限界があります。

その点、「roamx-0201」は「抗力発散」が起きにくく、高速のまま長く回り続けられます。さらに、失速したときの動作にも違いがあります。「インジェニュイティ」の翼の場合は失速すると性能が大きく落ちましたが、「roamx-0201」は大幅に改善したとされています。

もっとも、この翼はまだ火星で使える段階ではありません。計算による予測と実測の間にはずれが残っており、それを解消するための試験が続いています。

一方、火星ヘリコプターの計画そのものは、すでに次の段階へ進んでいます。3機の火星ヘリコプターを送り込むミッション「SkyFall(スカイフォール)」が、2028年に打ち上げられる予定です。そして将来の火星ヘリコプターは、1回あたりの航続距離を「SkyFall」より伸ばし、より遠くまで、より多くの荷物を積んで飛べる可能性があります。

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