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宇宙空間から〝地球上どこへでも補給〟 米空軍が試験

米空軍研究所(AFRL)は2026年10月20日、SpaceXの再突入カプセル「Starfall」を使い、ロケットで物資を地球上に運ぶ「Rocket Cargo」の輸送試験を実施しました。

2026-10-21
米空軍研究所(AFRL)の貨物ポッドと、ポッドに収める想定の糧食・水・無線機などの物資
米空軍研究所(AFRL)の貨物ポッドと、ポッドに収める想定の糧食・水・無線機などの物資
写真:U.S. DoD / DVIDSPublic Domain (U.S. Government work)

再突入カプセル「Starfall」で積み荷の状態を評価

アメリカ空軍の研究開発機関、米空軍研究所(AFRL=Air Force Research Laboratory)は2026年10月21日、ロケットで物資をある地点から別の地点へ運ぶ構想「Rocket Cargo」の輸送試験を実施したと発表しました。

輸送試験に使われたのは、宇宙から大気圏に突入して戻ってくるSpaceXの再突入カプセル「Starfall」です。カプセルは前日の10月20日、複数の積み荷をまとめて打ち上げる商業相乗り便に載せられ、ケープカナベラル宇宙軍基地から宇宙へ向かいました。カプセルには、温度や衝撃、振動を測る計測器が取り付けられていました。

カプセルにはあわせて、AFRL製の貨物ポッド「Agile Cargo Pod」が収められました。積み込まれていたのは、任務を想定した装備と環境センサーです。具体的には、衛星通信に対応した追跡装置、バッテリー、逆浸透膜式の淡水化装置、サバイバル装備、そして救急医療機器。打ち上げから再突入までのあいだにこれらの積み荷がどんな状態に置かれるかが、今回の試験で評価されました。

1回の打ち上げで数十トンを運ぶ構想

こうした試験の土台となっているRocket Cargoは、AFRLが進める研究開発事業です。この事業では、大型の商業液体燃料ロケットを使い、地球上のどこへでも〝戦術的な時間軸〟、つまり作戦に間に合う速さで物資を届けられるかを評価しています。ほかの取り組みと異なり、1回の打ち上げで数十トンという規模の輸送を想定しています。

活用事例として挙げられているのは、滑走路や道路のない場所や、敵の妨害がある環境への迅速な展開です。さらに、紛争下で前線へ物資を補給する兵站(へいたん)や、遠征・救難の作戦、災害救援にも使うとされています。化学や生物、放射性物質、核が関わる災害、いわゆるCBRN災害への対応も含まれています。

AFRLはこの事業で、SpaceXのほか、Blue Origin、Rocket Lab、Sierra Space、Anduril、Inversion Space、Outpost Spaceの計7社と協力しています。空軍省技術執行責任者でAFRL司令官のダグラス・P・ウィッカート准将は今回の試験について、「ロケット打ち上げの日というものは常に良い日だが、今日はただ大型ロケットの打ち上げに成功した以上のものだった」と述べています。

今回は、次の試験の準備も兼ねていました。救命いかだ「UNI-PAC III」がカプセルの中に収まるかどうかの確認も、あわせて行われています。

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