あぶくま型護衛艦 〝最初の1隻〟フィリピン移転へ協議
小泉進次郎防衛大臣とフィリピンのテオドロ国防大臣は2026年10月28日に会談し、あぶくま型護衛艦の最初の1隻を除籍後のできる限り早い時期に移転することを目指して協議を続けることで一致しました。

小泉進次郎防衛大臣は2026年10月28日、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防大臣と日比防衛相会談を行い、共同プレスステートメントを発表しました。両大臣は、海上自衛隊の護衛艦あぶくま型の最初の1隻をフィリピンへ移転することを目指し、協議を続けることで一致しました。
あぶくま型は、今後数年以内に最初の艦が自衛隊の籍から外れる「除籍」を迎える見込みです。移転はその除籍のあと、できる限り早い時期の実現を目指します。
また、移転までの段取りについても、防衛当局間で認識が一致しました。まず日本側がフィリピン海軍の教育訓練を支援し、維持や整備も両国が連携して進めます。そのうえで、今後は両国の政府内で必要な調整が行われます。
5月のワーキンググループ設置から半年で具体化
あぶくま型の移転は、2026年5月5日にマニラで開かれた日比防衛相会談で、航空機TC-90とあわせて議論するワーキンググループの設置が決まった案件です。5月31日の会談では、除籍後なるべく早い移転の方向で大筋合意していました。そして今回「最初の1隻」という対象と移転前の支援の進め方まで決まり、半年で一段と具体化した形です。
ワーキンググループの議論は、このあとも続きます。TC-90は2027年度に1機をフィリピンへ移転する方向で、運用や整備面の協力の詳細が話し合われます。さらに、生産基盤の強化を含む防衛装備や技術協力についても、議論を加速させることで一致しています。
背景に南シナ海をめぐる深刻な懸念
こうした協力の背景には、地域の海の情勢があります。両大臣は会談で、東シナ海や南シナ海での一方的な現状変更の試みに反対し、中国による威圧的な活動への深刻な懸念を共有しました。
協議がまとまれば、自衛隊の中古艦が他国の海軍へ渡る初の大型案件になります。なお、移転する艦の名前や具体的な時期は、執筆時点で公表されていません。


